就職活動では会社説明会や面接がおこなれます。
その終了後に企業宛にお礼メールを送ってくる応募者の方もいらっしゃいます。
しかし「会社説明会や面接の後のお礼メールが本当に必要なのか?」疑問に思う方もいますよね。
ここではその説明していきます。
説明会や面接後のお礼メールはいらない
会社説明会や面接が終わった後のお礼メールですが、
結論から言うと、必要ありません。
企業へお礼メールを送るのは応募者の自由ですが、お礼メールを送っても「選考で有利になることはない」と思った方がいいです。
お礼メールを送っても効果がないと言える理由は、
・お礼メールを評価していない
という点です。
それぞれ説明していきましょう。
お礼メールがたくさん届くので読んでいられない
就職活動の時は企業に山のようにメールが届きます。
届いたメールは、重要なメールとそうでないメールが混ざっていますので、フィルターをかけて分けるようにしています。
そのうち重要なメールだけを残して見るようにしているのですね。
マイナビなどの就活サイトを経由してくるものも、自動で仕分けされるようになっています。
その際にお礼メールは「重要でない」と判断されて、人事担当者に届いていない可能性もあります。
また応募者からのメールは一応開封して確認するけど、次々に来るお礼メールを読んでいたらきりがありません。
人事担当者も時間がないので読まれないこともあります。
メールを作成した方からすれば悲しいことですが、そういうこともあるのです。
お礼メールを読んでいたらほかの仕事ができない
また大手企業の説明会や面接では、何百人という応募者が集まります。
例えば300人の応募者が集まって、そのうちの2~3割の60~90人がお礼メールを企業宛に出すとしたら、どうでしょうか。
それだけのメールが届くと、人事担当者としてはひとつひとつのメールを開いて読んでいられないし、内容を覚えることもできません。
応募者からのお礼メールをずっと読んでいたら1日終わっちゃったよ。
って、そんなヒマな企業はないと思います。
応募者の少ない中小企業は、企業宛に届いたメールをすべて読んで、中には返信を出すところもあるかもしれません。
しかしそこまでやると人手と時間もかかります。
お礼メールを読んでいたらほかの仕事ができませんので、一切読まないという企業もあるでしょう。
規模が大きい企業ほどメールは読まないと思った方がいいです。
それを考えたら説明会や面接の後にお礼メールを送るのは、あまり意味がないといえます。
お礼の手紙もメールと同じで、大量の郵便物が届く時期に送っても効果はないと思います。
最近はよけいな連絡を少なくするために自社のメールアドレスを公開しない企業も増えてきました。
企業の連絡先が分からないときはお礼メールは送らなくてもいいでしょう。
企業はお礼メールを評価対象にしていない
就活の選考で必要となるのは、
「履歴書・エントリーシート(ES)などの応募書類」
「試験」
「面接」
です。
その中にはお礼メールは入っていません。
それでも応募者の中には「1時間ぐらいかけてお礼メールを作成する」という方もいるでしょう。
中には履歴書やESよりもお礼メールの作成に時間をかける方もいるかもしれません。
でも企業は、
「説明会の感想をお待ちしております」とか
「面接の感想文も評価対象です」
ということは一言もいっていません。
評価対象になるのかどうかわからないことに時間を使っても意味がないのです。
意味がないと思ったらやらない方がいいのです。
それなら履歴書やESなどの作成に時間をかけたり、試験や面接対策をしっかりやった方が断然効果があります。
企業の人事担当者も選考に使える時間は決まっていますので、よけいなことはしないでしょう。
応募書類や面接や試験の結果でシビアに合否が決定します。
しかし応募する側としては「お礼メールは送ったほうがいいかも」という不安解消のためにも、できる限りのことはしておきたいとも思います。
「どうしてもお礼メールを送りたい」という方は、ネットでお礼メール文のテンプレートを探してきて、それを自分なりにアレンジして送ってもいいですね。
説明会や面接のお礼メール作成にそれほど時間をかける必要はないです。
就職活動ができる期間が限られている
ほかの就活サイトでは「お礼メールを送った方がいい」という意見もあります。
その理由を下に抜粋してみました。
・ほかの就活生や応募者と差をつけることができる
・お礼メールを送っても損にはならない
・できることはすべてやったほうがいい
ということが書かれています。
お礼メールは選考対象ではないので、いってみれば「小手先のテクニック」です。
企業がそれをのぞんでいるのであれば必要ですが、そんなことは求人にも書いてありませんし説明もありません。
「お礼メールを送った方がいい」と提案しているのは企業の人事担当者ではなく、いわゆる「マナー講師」と呼ばれている人たちです。
それを真に受ける必要などないのです。
お礼メールは作成する必要はありません。
またお礼メールを送った方がいい理由として、
「損にはならない」
「できることはすべてやったほうがいい」
と書いてあります。
しかし、就職活動はできる時間が限られています。
やる必要のないことに時間をかけて、より重要なことがおろそかになったり、休む時間が削られて体調を崩したら元も子もありません。
活動できる期間の中で、やるべきことに優先順位をつけて優先順位の高いことに多くの時間を使う。
そして「必要のないことはやらない」と決める決断力も必要です。
お礼メールに生産性はない
ここから先は私の個人の見解です。
応募者の企業宛のお礼メールをみると、中にはとても丁寧に書いてあって好感が持てるものもあります。
しかし最近では、違う感想も持つようになりました。
お礼メールを送ってくれる人は「礼儀正しい」「しっかりしている」と、とらえる企業もあるでしょう。
でもその反面、今の日本企業の生産性の低さやスピード感なさ、変化の遅さは、こうした重要ではないことに時間や労力を使っているからともいえます。
日本の社会は「丁寧さ」や「礼儀正しさ」が重視されて、「仕事の効率」を軽視していたともいえます。
日本の社会は、他人に対してとにかく気を使うことが多いです。
そのために相手を気づかうためのマナーや礼儀作法が増えていき、その分だけ、やることが増えてしまっています。
応募者はお礼メールを書くことに時間を使い、企業の人事担当者は受け取ったメールを読むことに時間を使います。
お礼メールのマナーがなければ、応募者や人事担当者は、もっとほかのことに時間が使えたのです。
それ自体は本来、必要もないのに、なぜかそうしたマナーが定着しているのです。
就活や入社後の職場でも「なぜ、こんなことやらないといけないの?」と疑問に思うことがあります。
やらなくてもいい仕事が増えていき、本当にやらなければいけない仕事は後回しになってしまって、効率が悪くなっているのです。
その結果、長時間労働になり生産性が落ちているように感じます。
その根本には「相手への気の使い過ぎ」があるのでしょう。
応募者と企業は対等の立場にある
本来、就職活動は求職者と企業側のマッチングです。
これは求職者と企業側のどちらも得をしているのです。
求職者は新しく職を得ることができて、企業も新しい人材をむかえることができるのです。
片方が損をしているわけでも、迷惑をかけられているわけでもありません。
そのためお互いに対等なのですから、相手への過度なお礼は必要ないのです。
今後は働き方改革や人手不足で働き手が重宝される時代が来ます。
求職者が企業の人事担当者に過度にへりくだる必要もなくなるでしょう。
その際には、これまであったマナーなども変わっていってほしいものです。
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