就職活動で使用する履歴書やエントリーシート(ES)には、「趣味・特技」を書くものもあります。
「趣味・特技」といわれてすぐに思いつく方はいいのですが、「趣味や特技は特になく、何を書いていいかわからない」と悩むときもありますよね。
ここでは趣味・特技の見つけ方や、履歴書やESへの書き方を紹介していきます。
履歴書に記載できる趣味の例
よくある趣味としては「読書」「旅行」「料理」「音楽・映画鑑賞」などがあります。
これらを書く方も多いですが、文章として書くスペースがある場合、これだけではよくわからないのでもっとくわしく書いてもいいですね。
ここでは例として「読書」と「旅行」の例文を書いてみました。
「読書」
履歴書に書く「読書」は、マンガではなく小説などの活字の本です。
また、
「どんなジャンルの本を読んでいるのか?」
「月に何冊ぐらいの本を読んでいるのか?」
ということを簡単に付け加えて具体的に記載してもいいですね。
例えば、
など。
上のように「○○(作者名)さんの作品は好きでよく読んでいます」でもいいですね。
また、
とか。
ただ読書は、人によって好きなジャンルが違いますし、月に1冊とか3ヶ月に1冊という読書ペースの人もいます。
程度の差はありますが、それでも「本を読むのが好き」であれば、それが趣味になると思います。
また面接官は年配の方も多いです。
小説は若者向けのライトノベルなどよりも、面接官の人たちも知っているようなジャンルや著者などをあげてみるのもひとつの手です。
「旅行」
趣味に「旅行」と書く人も多いです。
年に2~3回ほど海外や国内の旅行に出かける人は趣味が旅行でもいいですが、
旅行が好きでも、最近は緊急事態宣言の影響などでほとんど旅行に出かけた経験がなければ、書いていいか迷いますよね。
それでも「旅行が好き」と思えば、趣味として書いてもいいと思います。
年に1回ぐらいの旅行でも、本人が趣味といえば趣味ですし、それほど遠くへ行かないで、近場の観光地へ車や電車で日帰りで行くのも旅行になります。
例えば、
など
最近ほとんど旅行に行った経験がなければ、
といえば「この人は旅行好きだな」と思ってくれますよね。
その他の趣味
その他の趣味の例としては、
その他の趣味としては、
スポーツ(観戦)、カラオケ、料理、囲碁、将棋、お菓子作り、クロスワード、ヨガ、献血、サイクリング、ドライブ、温泉、食べ歩き、○○収集、ライブ観戦、鉄道、ダーツ、麻雀、推理小説、山登り、ルービックキューブ、スノーボード、釣り、写真、寺社巡り、
ちょっと興味のあるものを取り上げてみてもいいですね。
履歴書に記載できる特技の例
特技は「ほかの人よりも得意なこと」や「秀でていること」などを書いてみましょう。
「これならほかの人よりも得意・上手」というものがありますよね。
部活動やサークル活動の実績
特技として思いつくのは、学校でおこなっていた部活動やサークル活動などがあります。
大会で賞を取ったり上位に入賞するなどの経験があればその実績を書いておきましょう。
例えば、
など。
また、部活動やサークル活動でそうした実績がなくてもかまいません。
例えば、
など。
ただ英語を得意といえば「英語が得意そうなので、英語で自己紹介してください」と、話を振られる可能性もありますので、答えられるようにしておきたいですね。
取得した資格や検定で学んだことを特技としたり、アルバイトの経験から得意になったものを書くのもOKです。
また「この分野の、この部分だけは異常にくわしい」というものがあったら、それを特技にしてもいいですね。
その他の特技
その他の特技の例としては、
その他の特技としては、
ブラインドタッチ、ものまね、暗算、パズル、書道、一発芸、筋トレ、オセロ、けん玉、体が柔らかい、折り紙、魚をさばく、レジ打ち、料理、そろばん、似顔絵、長距離走、手品、大食い、山登り、自己紹介、ダンス、プログラミング、麻雀、英会話、ビリヤード、
ちょっと得意でできそうなものを取り上げてもいいですね。
履歴書には書けないNGになる趣味や特技
基本的には、自分の趣味・特技を正直に書いたほうが質問されたときも答えやすいです。
しかし正直に書いたために、面接官の印象が悪くなってしまう趣味・特技もあります。
そんなNGな例を紹介していきます。
パチンコや競馬などのギャンブル
パチンコや競馬や競輪や競艇やオートレースなどのギャンブルです。
これらが好きな人もたくさんいますが、それをまったくやらない人からしたら、印象はよくありません。
給料をギャンブルに使ってしまって無駄づかいをするなどのイメージがあるため、趣味にはあまり書かないほうがいいと思います。
ギャンブルのことは書かずに「馬を見るのが好きなので、よく競馬場に行きます」など書く人もいますが、これも「結局、競馬場で馬券を買っているのだろう」とあやしまれます。
企業の面接官の中にギャンブルに理解がある人がいればいいですが、そうでないときは評価を下げてしまうこともあります。
アニメやゲーム
企業の面接官の中にもスマホでゲームをしたり、「昔はアニメを見ていた」という人も多いと思います。
ただ何年か経てばアニメやゲームから卒業する人も多くなりますし、社会人になってもアニメやゲームに熱中している人に違和感を持つ人も多くなります。
そのため履歴書の趣味に「アニメ」または「ゲーム」と書いてあると、「社会に出て働く歳になっても、まだやっているの?」と軽く見られてしまうこともあります。
ただゲームのジャンルによっては履歴書に書けるものもあります。
例えば、
など。
もちろんアニメやゲームに理解のある方もいますし、趣味に書いても問題ないかもしれません。
しかし、どちらかというと内向的なイメージがあり、あまりいい趣味ではないと思う人がいることも確かです。
YouTubeを見ること
今はYouTube(ユーチューブ)やTikTok(ティックトック)などで「動画を見る方」も多いですよね。
そのほかにも「Twitter(ツイッター)やInstagram(インスタグラム)などのSNSを見る」とか「ネットサーフィン」や「テレビを見る」という方も多いです。
これらは趣味ともいえますが、どちらかというと、ヒマつぶしや息抜きのための「娯楽」ともいえます。
見ているものの内容にもよりますが、「動画やテレビをただ見ている」という受け身の趣味は、あまりイメージの良い趣味とは見えません。
ただ「特定のジャンルをよく見ていて、その分野にくわしい」というのなら趣味になると思います。
例えば、
など、この辺は説明の仕方次第ですね。
その他のNGになる趣味・特技
「趣味が人間観察」という人もいます。
もちろん日常で他人を観察することは誰にでもありますが、基本的に人は他人から観察されることを好まないものです。
そのため「趣味が人間観察です」というと、「私も観察されているんだ」と思われてしまい、ちょっと嫌がられるかもしれません。
また「お酒の飲み歩き」という方もいます。
お酒が好きで毎日飲んでいるという方もいますが、今は企業も社員の健康管理には気をつかうようになっています。
そのため体をこわす原因になるお酒が趣味だと、良い印象は持たれないでしょう。
「趣味は寝ること」と正直に書く方もいますが、「おそらく休日はずっと寝ているのだろう」というイメージです。
これは「面倒くさがり」「無気力」「意欲がない」という感じで見られてしまうのでおすすめしません。
ほかにもNGになる趣味や特技はありますが、よく考えて書くようにしたいですね。
履歴書の趣味・特技の役割
「なぜ履歴書やESに趣味・特技欄があるのか?」は気になると思います。
「就活や転職の選考に関係なさそうなのに、なぜ書かないといけないのか?」疑問にも思いますよね。
趣味・特技欄がある意味を説明すると、
・面接のときの雑談のネタになる
・合否にはほとんど影響がない
という点になります。
「応募者がどんな人なのか?」を知るため
趣味・特技から「応募者がどんなことに興味や関心を持っているのか?」がわかることがあります。
そこから、「どんな人なのか?」を知るための質問と言えます。
初対面の人には、さぐりを入れるために、まず「趣味は何ですか?」から話を始めることもありますよね。
その答えによって相手の印象も定まってきます。
例えば「見た目はマジメそうに見えるのに、意外な趣味を持っている」のがわかると、見た目と中身の違いで印象に残りやすいという点もあります。
あるいは大会で賞をもらうなど、かなり力を入れている趣味・特技は注目されやすいです。
反対に読書や映画鑑賞など、よくある趣味や特技だと、面接官から突っ込んだ質問もされずにスルーされることもあります。
しかし趣味が読書でも、面接官から「どんな本を読んでいるの?」と質問されることもありますので、具体的な答えも用意しておきましょう。
できれば嘘はつかずに正直に答えた方がいいですね。
面接のときの雑談のネタになる
面接で合否に影響する堅苦しい話ばかりしていると、面接の場も和まないし、応募者も緊張してうまくしゃべれません。
そのために選考にあまり関係のない趣味や特技などの話をして、緊張感をほぐしてもらうための質問でもあります。
話をしやすい雰囲気をつくることも大事なのですね。
特に面接が始まったときは、面接官と応募者がお互いに話しやすいように、当たり障りのない話題から入った方が、その後の会話もはずむこともあります。
そういう意味で、「志望動機」や「自己PR」など合否に影響のある項目だけではなく、それほど影響のない「趣味・特技」などの項目も必要なのです。
選考の合否にはほとんど影響がない
また応募する企業の業務に関連する趣味や特技を書いてくる方もいます。
それでもいいのですが、アピールするために、自分の趣味や特技を企業の業務と無理やり関連づけるのはやめておきましょう。
場合によっては説明文もおかしくなりますし、面接官から質問されたときにうまく答えられない可能性もあります。
履歴書に書く趣味や特技は、業務と関連のないものでOKです。
素直に思いついた趣味や特技を書いておきましょう。
「趣味や特技が何か?」よりも「自分の趣味や特技をどう説明してくれるのか?」という、説明の仕方を見ている面接官もいます。
業務とは関連のない趣味や特技でも、面接の時に話を広げることができれば、面接官に「○○が趣味の人だね」と覚えてもらうこともできます。
趣味や特技のことを質問されたときに、しっかり答えることができるようにしておきたいですね。
また、趣味や特技は、おかしなことを書かなければ合否にほとんど影響はありません。
素晴らしい趣味や特技があったとしても、それだけで面接合格になることはないです。
何も思いつかないときでも、気負わずに考えてみましょう。
空欄にはしない
履歴書やエントリーシートに趣味・特技を書く欄があったら、「なし」と書いたり、空欄にしないで、何か書くようにしましょう。
「趣味はないし、特技もないから書くことがない」という方もいますが、よく考えれば何かあるはずです。
「趣味・特技の欄は選考にはあまり影響がないから、『特になし』と書いておけばいいか」と勝手に判断する方もいますが…
「なし」や「特になし」と書いたり、空欄のまま提出してしまうと、「真剣に考えていないのでは?」と面接官に思われてしまい印象もよくありません。
よく考えて何か書いておきましょう。
趣味と特技の違い
「趣味と特技の違いは?」と聞かれると、どう答えていいか迷いますよね。
一般的には、
「特技」…ほかの人より上手なこと、得意なこと
になります。
ただ「好きなこと」と「得意なこと」が同じ場合もありますので、趣味と特技がかぶることもありますよね。
そんなときは、どちらで書くか自分で選んでみてください。
履歴書に書ける趣味としては、活動的な趣味や物を作るなど創作活動の趣味などが多いです。
履歴書に書ける特技としては、学校のクラブ活動でやってたことや大会などで賞を取ったことなどを書いてもいいですね。
また「趣味や特技は長い経験や実績があるものでないといけない」というわけではないのです。
経験や実績がそれほどない趣味や特技を取り上げてもいいのです。
これといった趣味や特技がない場合は、日常でよくおこなうことの中から趣味や特技になりそうなものを取り上げてみましょう。
「趣味・特技」と書いてある場合、特技がなければ趣味だけでもいいですし、両方あるのなら両方とも書いておきましょう。
まとめ
ここまで説明してきましたが、「企業の面接官にどう思われるか?」を、よく考えて趣味・特技を選んでみましょう。
「履歴書やESの趣味や特技に何を書こうか?」であれこれ悩む方もいますが、この項目に時間をかけてもあまり意味はありません。
趣味や特技よりも「志望動機」や「自己PR」などの項目の方が重要です。
そちらに時間をかけましょう。
また市販の履歴書を選んで書く場合は、「趣味や特技欄のない履歴書を選ぶ」という方法もあります。
以上になりますが、履歴書やESの趣味や特技を記載するときの参考にしてください。
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