就活でお金はいくら必要になる?事前に用意しておきたい金額を解説

新卒の就職活動を始める時に、意外と悩んでしまうのが「お金」の問題です。

もちろん「就活にはお金がかかる」ことを見通して、バイトをしてお金をためていたり、親に相談をしてお金を出してもらう方もいるでしょう。

 

しかし実際に就活でどのくらいのお金が必要で、事前にどのくらいのお金を用意しておけばいいかわかりませんよね。

ここでは就職活動でかかるお金について説明していきます。

 

就職活動は何かとお金がかかります

ネットを見ていると「お金がないために、就職活動をしたくてもできない人」がいることがわかります。

「会社説明会や面接に着ていくスーツがない」

「そもそも面接に行く電車代すらない」

 

など半分ネタで言っている方もいますが、実際にお金がないために就活で苦労している方もいます。

冗談は抜きで就職活動のときには、それなりの額のお金が必要になってきます。

 

「お金がないのならバイトしてためればいいのでは?」と思いますが…

「バイトを見つけて働いてお金を貯めて…」と言っていれば、就職活動に間に合わなくなってしまうこともあります。

 

実は私も就職活動の時は、直前になるまでお金のことをほとんど考えていませんでした。

「大学入試は受験料がかかるけど、会社の説明会や面接はタダで受けることができるんだから~」ぐらいにしか考えていなかったのですね。

今、考えてもアホすぎるほどの痛恨のミスです。

 

「どうやったら会社から内定がもらえるのか?」ばかり考えていて、就活の費用のことに気がつかなかったのです。

結局、親に頭を下げてお金を借りて就活をしましたが、事前にお金の用意をしていないと本当にあせります。

みなさんもそんなミスをしないように、気をつけてくださいね。

 

就職活動の費用は合計でいくらかかるのか?

下の表は2018、2019年3月卒の就職活動にかかった平均の費用です。株式会社ディスコの学生調査より引用)

上の表から、就職活動の費用の合計は、

卒業年度 就活費の合計
2018年卒 143,943円
2019年卒 135,881円

就活費の合計は平均で13~14万円ほどかかります。

けっこうお金を使うようになりますよね。

 

そして就職活動でダントツにお金がかかるのが「交通費」です。

よりくわしくみていきましょう。

 

地域ごとの学生の就活費用はどのくらい?

下の表は地域別の学生の就活でかかった費用です。

「リクルートスーツ代」もかかりますが、注目したいのは金額が大きくて地域によって差がある「交通費」と「宿泊費」です。

 

地域別の就活費の「合計」と「交通費」「宿泊費」で表をつくると、下のようになります。

合計 交通費 宿泊費
北海道 180,223 88,053 28,936
東北 134,467 74,478 21,196
関東 110,424 41,988 3,037
中部 150,661 70,591 11,780
近畿 142,355 67,102 12,404
中国・四国 170,167 96,874 18,230
九州・沖縄 168,416 89,814 24,698

就活費の「合計」「交通費」「宿泊費」の金額が一番少ないのは「関東」の学生です。

 

特に東京など関東にいる学生は、就職活動も同じ地域でおこなう人が多いため、交通費はほかに比べてそれほど高くありません。

また実家のある地方に戻って就職を希望している関東の学生は、実家に泊まって就活をおこなうために宿泊費もほとんどかからないようですね。

 

逆に関東から離れている地域ほど、交通費や宿泊費が増えていくのがわかります。

 

これは各地域から東京へ就職活動に来る学生が多く、新幹線や飛行機などの交通費や、滞在日数が多くなり宿泊費がかかるためです。

このように地方から東京の会社に就職を希望する学生は、交通費や宿泊費をしっかり用意しておいた方がいいのですね。

 

交通費や宿泊費はいくら用意しておけばいいの?

例えば北海道の学生は上の表から、交通費(88,053円)宿泊費(28,936円)合計(180,223円)の金額がかかります。

ただこの金額は、北海道から東京やその他の地域に出向いて就活をおこなう学生だけでなく、地元の北海道で就活をする学生の費用も含まれています。

 

大学がある地元で就活をするのなら、交通費や宿泊費はそれほどかかりませんよね。

そのため平均額もその分だけ低くなります。

ですので上の費用は一応の目安として知っておきましょう。

 

もし地方から東京などの遠く離れた地域へ就活に行くのであれば、平均額以上のお金を用意することをおすすめします。

 

「北海道から東京へ就活に行く予定だけど、交通費は9万円ぐらい、宿泊費は3万円ぐらいあれば大丈夫かな?」

と思ってしまいますが、それだけだと足りない可能性も出てきます。

 

実際に就活をした学生もお金で困ることが多いようです。

就職活動の費用については、

○東京に 4 カ月ほど滞在して就職活動をしていたためこのくらいになった。 <北海道・男子/総額 290,000 円>

○大学も地元も地方なので、交通費が随分かかってしまった。宿泊費は親戚や友人の家に泊まって抑えた。
<中四国・男子/総額 472,000 円>

○都内在住であったが、交通費はやはりかかった。その面では、選考が進むにつれて交通費を支給してくれる企業が増えたのは助かった。 <関東・男子/総額 95,000 円>

○スーツは入学式のものを着た。関西と関東を往復していたため、交通費がかなり負担だった。就活中はアルバイトも思うようにできないので、相当親に助けてもらった。 <近畿・女子/総額 193,000 円>

○就職活動中に貯金を使い果たしてしまった。 <九州・男子/総額 430,000 円>

このように「交通費や宿泊費で多額のお金を使った」という感想も多く、中には総額で40万円以上かかったという学生もめずらしくありません。

地方から東京へ就活に行くのであれば、40~50万円か、もしくはそれ以上のお金を用意しておいた方が安心できると思います。

 

交通費や宿泊費はいくらかかるのか予測ができない

就活用のリクルートスーツやバッグや靴などの持ち物は、一式そろえてしまえば、それ以上のお金はあまりかかりません。

しかし交通費や宿泊費はいくらかかるのか予測ができないところもありますよね。

 

交通費や宿泊費がめんどうなのは、

・小さな額でお金が減っていくので総額が把握しづらい

・就職活動を通してどれだけお金がかかるのか?事前に予測がしづらい

という点です。

 

就職活動で会社説明会や面接に行くときには、会場が近ければ徒歩や自転車や、もしくは車に乗っていく方がいるかもしれませんが…

多くの方は電車やバスなどの公共交通機関を利用すると思います。

 

面接の往復の交通費として、500円とか1000円ぐらいのお金が消えていきます。

「そのぐらいの金額はたいしたことない」と思って使っていくと、気がついたときには大きな金額になっていることもあるのです。

大きな金額でドカンと消えていけばわかりやすいのですが、小さなお金でちょっとずつ消えていくと、「これまでいくら使ったのか?」がわからなかったりするのです。

 

そして説明会や面接会場の場所が遠ければ、その分だけ電車やバス代も高くなります。

高速バスや新幹線や飛行機に乗って遠い場所へ面接を受けに行くと、その分の交通費もかかりますし、遠方へ行けばホテルなどに宿泊することもあります。

選考の日程が重なって数日間ホテルに滞在するとなれば、その分だけ宿泊費もかかります。

 

さらに外出先でお腹がすいたら飲食店に入って食事をすることもありますし、時間つぶしのためにカフェなどに入ってお金を使うこともあります。

就活時はなにかとお金が出ていく機会が多くなるのですね。

 

また就職活動はどれだけ長引くのかわかりません。

すぐに内定先が決まってしまえば費用も安くすみますが、内定が決まらないと説明会や面接に出かける回数が増えていきますし、その分だけ交通費やその他の雑費がかかります。

 

企業から内定がもらえず就活が長期化すれば出費も増えていきます。

就活が始まる時点で、どのくらいの交通費や宿泊費がかかるのか予測がむずかしいのですね。

そのため就活費用はできるだけ余裕をもってためておくことをおすすめします。

 

例えば地方から東京へ就活に行く場合には、自宅から東京へ行くまでの交通費はかならず調べておきましょう。

それがお金をためる時のひとつの目安になります。

就活が始まれば何度往復するのかわかりませんが、往復の交通費が総額でどのくらい必要になるのか?ある程度予測してみましょう。

 

そして東京に数日間滞在する場合には宿泊方法(ビジネスホテル、カプセルホテル、ウィークリーマンション、民泊、シェアハウス、ネットカフェなど)を考えたり。

宿泊費も総額でどのくらいかかるのかを予測して、その金額を準備しておきたいですね。

 

就職活動費は親に借りるか?自己負担か?

上の円グラフは、「就職活動費の出どころ」です。

 

親に出してもらった(返済しない) 48.6%
親に借りた(返済する) 11.4%
全額自分で工面した 40.0%

そして親に就職活動費を負担してもらったときの平均の負担額は84,399円です。

 

親から就活の費用を出してもらえる方も多いですが、それが難しいのなら自分でお金をためるしかありません。

そのときは大学1年ぐらいからアルバイトをして、その中から就職活動のために毎月いくらかためていってもいいですよね。

 

特に地方から東京へ行くなど、遠く離れた地域に就職活動に行く方は交通費や宿泊費でかなりのお金を使うようになります。

そういうことも見通して計画を立てておきたいですね。

就活が始まってもバイトを続けてがんばっている方もいますが、計画を立てて事前にお金をできるだけためておきましょう。

 

就職活動が始まった時に「お金がない」ことに気付くと、本当にあせります。

お金が足りない時は親から借りるなどで費用を工面してもいいのですが、前もって準備しておくと安心できますよ。

 

急にお金が必要になった時には、クレジットカードのキャッシングを利用してみましょう。

でもキャッシングは借金ですので、お金の借りすぎには気をつけてくださいね。

 

関東の学生の就活費用の合計は約11万円ぐらいですが、東京都内で就職活動をするときも余裕をもって20万円ぐらいの就活費用はためておきましょう。

就活生によって使うお金の額はそれぞれ変わってきますが、途中で困らないように余裕を持って就活できるようにしたいですね。

 

就職活動で使うお金はケチらないほうがいい

新卒の就職活動の時は、必要な出費はおしまないほうがいいです。

多少のお金がかかったとしても、その分は会社に就職した後に働いて取り戻せばいいのです。

もしくは内定が決まった後にバイトをしてもいいですよね。

 

条件のいい会社に就職することができれば、たとえ10~20万円ぐらいの借金をしていても、給料がよければ1年ほどですぐに回収できます。

例えば「A社の会社説明会や面接に行こうか迷ったけど、交通費がもったいないからやめた」という理由で行かない方もいます。

でもどうしても気になる会社なら、できる限り応募をしてみましょう。

 

志望度が低い会社やあまり興味のない業界の会社でも、説明会や面接に行ってみて内情をくわしく知ることによって志望度が高くなることもあります。

お金の事情で自分の行動範囲を制限してしまうことは、就活のときはできるだけやらないほうがいいでしょう。

 

就活セミナーを受けたり対策本を買うことなどもそうですが、ためになる情報を得るためにはお金を使うことも必要なのです。

 

また履歴書に貼る証明写真は自分のスマホで撮ってつくる方もいます。

それでもいいのですが、お金を出して写真館で写真を撮ってもらったほうが仕上がりもいいですし、その方が書類選考の通過率が1~2割上がるかもしれません。

 

お金をケチってしまうことによって、就職活動の機会を失ってしまうこともあるのです。

就活がスタートする前にお金をしっかりためておくか、親からお金を借りるなどして、就職活動のときにこまらないように準備しておきたいですね。

「就活アド」を書いている人

(やまよし おさむ)

東京のとある企業で人事担当の仕事をしております。
このブログは新卒者に向けた情報を提供していきます。

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