大学卒業後に専門学校に進学すると就職で有利になるの?

大学生の卒業後の進路としては、主に「企業へ就職する」や「大学院へ進学する」などがあります。

大学卒業後はさまざまな進路がありますが、中には「専門学校へ入学する」という方もいます。

専門学校は高校卒業後でも入学できるのですが、大学を卒業してから入学する方もいるのですね。

ここでは「就職で有利になるのか?」「大学卒業後に専門学校へ行くとどうなるのか?」を説明していきます。

 

大学卒業後に専門学校へ行くと就職で有利になる?

結論から申し上げますと、就職に有利にはなりません。

大学卒→専門学校というコースを取るよりも、大学在学中に新卒採用で就職活動をしたほうが条件の良い企業に入れます。

意味もなく専門学校に行っても、その後の就職活動で有利になることはないです。

むしろ専門学校へ行くことで、逆に就職に不利になってしまうこともあります。

ここから先は、「大学卒→専門学校というコースを取った時にどうなるのか?」を説明していきます。

 

大学卒業後に専門学校へ入学するとどうなる?

大学卒業後に専門学校へ行くとなると、どんな状況になるのか説明していきます。

 

専門学校を卒業すれば24歳以上になる

浪人や留年しないで大学を卒業して専門学校に入学したときは、年齢が22歳になります。

その後、2年制の専門学校を卒業して就職すれば24歳です。

 

24歳なら大学卒業後に就職した人は、もう普通に仕事をしています。

大学の同学年の人に比べて社会に出る時期も遅くなりますし、専門学校に行っていた2年分の給与の差もついてしまいます。

 

そして就職活動も大学の新卒採用のときと同じようにはいきません。

20代半ばになれば中途採用も視野に入れるようになります。

 

専門学校で学んだことや取得した資格を生かせる仕事に就ければいいのですが、そんな仕事がない場合は、未経験で雇ってくれる企業に中途採用で就職することになります。

それなら大学の新卒採用の時のほうが、より給料や待遇の良い企業が見つかります。

 

最終学歴は「大卒」「専門学校卒」のどちらになる?

大学を卒業した後に専門学校に行くとなると「最終学歴は大学と専門学校のどちらになるの?」という疑問もわいてきます。

例として、履歴書の学歴欄を簡単に書いてみると、

学歴
4  〇〇県立〇〇高等学校入学
3  〇〇県立〇〇高等学校卒業
4  △△大学△△学部△△学科入学
3  △△大学△△学部△△学科卒業
4  □□専門学校□□学科入学
3  □□専門学校□□学科卒業
以上

と、このようになります。

 

最後に卒業する学校は専門学校なので「最終学歴は専門学校」と言えます。

しかし学歴の高さから言えば「最終学歴は大学」とも言えます。

調べてみると、大学と専門学校を両方卒業していれば「最終学歴は大卒」という意見が多いですが、厳密にはよくわかりません。

そもそも「大学⇒専門学校」というコースをたどる人はそれほど多くないので、「最終学歴がどちらになるのか明確に決まっていない」というのが実情です。

 

しかし「最終学歴はどちらか?」ということが重要なのではありません。

就職活動をして採用された場合、企業がどちらの学歴を重視するかが重要なのです。

求人には「大卒」「専門学校卒」「高卒」などの応募可能な学歴が記載してあります。

中には学歴不問の求人もありますが、求人の募集要項には応募の際に必要な学歴が書いてあります。

 

最後に卒業した学校が専門学校でも、その前に大学を卒業していれば、中途採用で「大卒以上」の求人に応募ができます。

「大卒以上で応募可」の求人に採用されたら、専門学校卒の学歴があっても大卒に応じた給料や仕事内容になります。

また「専門学校卒で応募可」の求人に採用されたら、大学を卒業していたとしても、専門学校卒に応じた給料や仕事内容になります。

 

基本的には「高卒」「専門学校卒」よりも「大卒」の方が年収も高く、出世もしやすくなります。

このような違いがありますので「最終学歴が大学か?それとも専門学校か?」というのは、あまりこだわらなくてもいいのかもしれません。

 

「大卒」と「専門学校卒」は年収が違う

大卒の資格があれば、大卒の中途採用の求人に応募することもできますが…

専門学校に進んだ時の就職活動は、専門学校で学んだ知識や技能や資格を生かした就職先を選ぶようになります。

 

しかし「大卒」と「専門学校卒」では年収も違います。

下の表は2018年(平成30年)の学歴ごとの平均年収です。

大学・大学院卒 高専・短大卒 高校卒
男性 400万5千円 314万9千円 292万9千円
女性 296万4千円 260万6千円 214万6千円

出典:令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況 学歴別

年収の高さで言えば、「大学・大学院卒>高専・短大卒>高校卒」と、学歴によって年収も変わってきます。

専門学校卒は表にはありませんが、専門学校卒は「高専・短大卒」もしくは「高校卒」と同じぐらいの年収になります。

ということは、男女ともに大学・大学院卒と年収の差が、かなりあることがわかります。

大卒だけど、専門学校卒として企業に入社すれば、それに合う年収しかもらえない可能性もあります。

 

学費がよけいにかかる

大学でも学費はけっこうかかっています。

国公立大学は文系理系ともに、4年間で総額250万円ぐらい支払っています。

私立文系は約400万円ぐらい、私立理系は医歯系を除いて約530万円ぐらいの金額を大学に支払っているのです。

これだけの大きな額のお金を大学に支払って就職ができなかったら…

学費を支払ってくれた親もあきれてしまうでしょう。

 

その上「大学卒業後は専門学校に行きたい」と言ったら、たとえ明確な理由があってもかなりもめると思います。

専門学校は分野によっても違いますが、2年制の学費の総額は200~300万円というところが多いです。

専門学校の学費は安くはありません。

奨学金を使いながら専門学校へ行くこともできますが、大学と専門学校の両方の学費は大きな負担になるでしょう。

ですので、大学卒業後に専門学校へいくには、将来の目標を明確にしておいたほうがいいですね。

 

お金と時間がムダになることもある

専門学校で学んだことが仕事でも生かせる「看護・医療系」などなら就職内定率も高いです。

しかし就職に生かせないことを専門学校で学んでも企業は評価してくれません。

そういう専門学校もたくさんあります。

音楽・美術・声優・ゲーム・アニメ関連の専門学校へ行って自分の好きなことを学んだり、夢を追いかけるのも自由です。

でも就職のことを考えているのなら、「自分が学びたい学科」よりも「就職で有利になる学科」を考えてみましょう。

 

「専門学校で勉強したけど、結局、お金と時間の無駄だった」ということもよくあります。

「専門学校が自分に知識や技術をあたえてくれて、就職先も見つけてくれる」という受け身な考えだと、結局無駄に終わることも多いです。

専門学校では真剣に勉強をして、ここで学んだことが今後どう活かせるのかをよく考えてみましょう。

自分で将来の目標を持ち、それをかなえるために専門学校を利用するぐらいの気持ちでないと失敗します。

専門学校へ入学を決める前には、学科の内容やその後の就職のことなどよく調べて、本当にここでいいのかよく考えてみましょう。

 

「大学の新卒採用」のカードが使えなくなる

大学生は在学中の就活期間中が、最も就職先を見つけやすいときです。

そのため多くの大学生が在学中に就職活動をしますし、大学や企業も就活をサポートしてくれます。

 

新卒の就職活動のときは、仕事の経験やスキルがなくても、比較的簡単に、条件の良い企業は見つかります。

大学生の時はこのありがたみがよくわからないと思いますが、新卒採用は現役の学生に与えられた期間限定の「優良カード」なのです。

在学中の大学生が利用できる「優良カード」は、4月から社会人のスタートを切る上でも非常に価値の高いカードです。

給与が高く、待遇や条件の良い一流企業や優良企業は、この時でないと入社できません。

そのため大勢の大学生が在学中に就職活動をするのですね。

 

しかし大卒後に専門学校へ進学する人は、この貴重な「優良カード」が、ほぼ使えなくなります。

 

新卒採用は大学を卒業してから3年までは既卒として利用できます。

専門学校を2~3年で卒業して「優良カード」を使うこともできますが、そのときはカードの価値も大きく下落しています。

新卒採用は現役の大学生の方が有利ですし、さらに大学卒業から2~3年たった人を採用してくれる企業の数も大きく減ります。

 

ですので専門学校へ行ったときには、専門学校で学んだことを活かせる就職先を見つけるしかありません。

もしくは未経験でも採用してくれる中途採用の企業を探すことになります。

 

専門学校へ進学するときのアドバイス

ここからは大卒で専門学校へ進学するときに気をつけたい点を説明していきます。

 

専門学校の下調べはかならずやりましょう

入学を希望する専門学校の下調べは必ずやっておきましょう。

学科の就職率がよかったとしても安心できません。

専門的なことを学ぶときは「自分に向いている、向いていない」ということも問題になってきます。

その点は入学してみないとわからないところもありますが、「自分に向いていない」とわかったときにどう対処するのか悩むところです。

自分に適正があるのかどうかも、入学する前によく考えておきたいですね。

 

また就職率がよかったとしても、その先はどんな仕事につくことができて、どんな企業に就職可能なのかまで調べておきましょう。

「これから専門学校で勉強することが世の中でどのくらい必要とされているのか?」を調べておいてください。

 

専門学校で取得できる資格や希望する仕事内容などを転職サイトで検索してみてください。

また求人数がどのくらいあるのかも知っておきましょう。

求人数が少なく、求人の待遇や条件も良くなかったから進学先も考えてみた方がいいかもしれません。

 

専門学校は、かならずといっていいほど、

面接官
専門学校の経営者

ウチの専門学校は就職率が高いからホントおすすめですよ。

と言ってきます。

専門学校も、学生を集めるためにそのぐらいのことは言います。

しかしそれはうのみにせずに、自分でできるだけ調べてみましょう。

「専門学校を卒業時に就職先を見つけることができるのか?」は他人まかせにせずに、ネットなどでしっかり調べておきたいですね。

 

そしてこれまで専門学校を卒業していった先輩も大勢います。

その先輩たちが「どんな企業に就職して、どんな仕事をしているのか?」も、できるだけ調べてみてください。

就職率が良くても実際は正社員ではなく派遣社員などの非正規雇用で、給料も安くて、雇用も不安定で、仕事もかなり厳しいなんてこともあります。

できればOBOG訪問などをして就職先のことを質問してみてもいいですね。

高い入学金をはらう前に、調べられることはできるだけ調べておくことをおすすめします。

 

専門学校生はみな同じスタートラインに立つ

専門学校は社会で役に立つ技術や知識を学ぶため、就職はできます。

しかし、専門学校の同級生や卒業生はみんな同じことを学んでいるため、それ自体は社会では希少価値はありません。

専門学校で同じ技術や知識を学んだ人も多いため、社会に出るときには、持っている技術も知識もそれほど価値はないと思っておきましょう。

そのため給料が安く、残業時間が長く、休日が少ない業種や職種もあるでしょう。

 

実務的な勉強する学校はそういう面があります。

もちろん就職してから独自の技術や知識を磨いて自分の地位を固めて出世していく人もいますが、その道はけわしくなるかもしれません。

でもくじけずに自分の将来を切り開いていきたいですね。

 

大学卒業後に専門学校に入学する人数

最後に「大学卒業後に専門学校に入学する人がどのくらいいるのか?」を説明します。

2021年(令和3年)に大学卒業後に専門学校に入学した人数を見てみましょう。

区分 入学者数
11,505人
5,074人
6,431人

出典:学校基本調査 2021専修学校 241専門課程入学者のうち大学等卒業者数

 

大学卒業後に専門学校に入学した人は、2021年は11,505人います。

男性は5,074人、女性は6,431人です。

「専門学校のどの学科に入学したのか?」まではわかりませんが、1万人程度はいるのですね。

 

2012~2021年の大卒後の専門学校への入学者数を見てみましょう。

入学者数
2021年 11,505人
2020年 11,179人
2019年 11,734人
2018年 11,989人
2017年 13,873人
2016年 14,513人
2015年 15,741人
2014年 16,726人
2013年 17,705人
2012年 18,342人

大学から専門学校への入学者数は、年々減少傾向にあります。

近年は大学生の就職内定率も高いので、専門学校へ進学する人は減っているのですね。

 

いかがでしたでしょうか。

大学卒業後に専門学校へ行くことを考えている方は参考にしてください。

「就活アド」を書いている人

(やまよし おさむ)
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東京のとある企業で人事担当の仕事をしております。
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